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08:So far So good
……
はるか彼方には水平線。
ビーチには水着の男女。
空は晴れ渡り、波は穏やかで、心は浮ついている。絶好の海水浴日和だ。
少年は思い切り息を吸い込んで、叫んだ。
「海だーっ!!」
両手を掲げ、腹の底から大声を出す彼に周囲の者は驚きや呆れ、微笑ましげな目線を送っては通り過ぎて行く。若者が夏の最後の思い出を求めてはしゃいでいると思えば、誰だってこの大声を咎めるつもりにはならないのだろう。
しかし連れの者たちはそうも行かない。
彼のすぐ背後に立っていた高巻が少年―――坂本の後頭部を軽く叩いた。
「恥ずかしいことすんな!」
「なんでだよぉ、海だぜ、海。テンション上がんじゃん」
「限度があるでしょ。まったく……」
呆れ返った高巻であるが、しかしすぐに笑顔を浮かべる。彼女とて坂本を強く否定はできなかった。なにしろ待ちに待った海なのだ。
くすっと笑って、高巻は勢いよく坂本の背を叩いた。
「よし、行こ! 海だ~っ!」
羽目を外して走り出した彼女を坂本が追いかける。
「てめっ杏! お前だってでけー声出してんじゃねえか!」
「知らなーい!」
「ちょっと、二人とも! はぐれるわよ!」
二人を追って新島が。
残された一行はやれやれとお互いの顔を見合い、すぐに彼女らを追った。
輝く水平線の向こうには大きな入道雲が折り重なって彼らを歓待しているようだった。
さて、水着に着替えた少女たちを見て男子一同は歓声こそ上げずに済ませたが、心の内を大きく高揚させる。
現役女子高生ながらモデルも務める高巻は言うまでもなく、新島も佐倉も点数をつけるならば満点を与えてなお足りないと言ってよいだろう。
特に佐倉は今日の主役と言っていい。フレアビキニで小さな体を包んだ彼女は未だ砂浜を埋め尽くす人の多さに若干の怯えを見せてはいるが、それでも震えることもなく立っている。
母親の死と心無い大人たちの言葉によって傷ついていた彼女を救うことができたのだと実感し、少年たちはやっと重荷を運び終えた心地になる。
そうとも、これからは彼女もまた共に戦う仲間となるのだ―――
「あれ、は?」
感動的なムードを全く躊躇せず切り裂いたのは高巻だった。
彼女たちはたった今更衣室から出てきたばかりで、その周囲を見回してもの姿が見当たらない。であればまだ更衣室にいるのだろうか。
更衣室の出入り口に小走りで駆け寄ったちょうどそのとき、高巻の正面からがぶつかってきた。
「わっ」
「きゃっ」
たたらを踏んだの腕を掴んで、高巻は軽く頭を下げる。
「ごめん、遅かったから見に行こうとして……」
「平気平気。こっちこそごめん」
思い切りよく高巻の胸元に顔を埋めてしまったことにほんのわずかに頬を染め、は両手を振った。しかしやがて、その手も止まる。
「ふっ……」
唇には自嘲的な笑み。
何かを察した佐倉が彼女の肩を力強く叩いた。
「そこじゃねえから、女の価値はそこじゃねえ。そうだろ、……!」
二人は拳を打ち合わせて頷き合った。
とはいえ、のかっこうは高巻や新島、佐倉と比べるといささか色気を欠いている。
何しろ肌の露出が彼女たちと比べると無いに等しい。
仕方のないこととは分かっていても、少年たちは幾らかがっかりして落胆を示した。
「……なにか言いたいことが?」
「ありません!」
「無いっす!」
「何もない!」
冷ややかな目線と声に、少年たちは背筋を伸ばして答えた。
それでもまだじとっと湿った視線を送るに、高巻が絡みつく。背中に当たる柔らかな感触にこそ少女は顔をしかめた。
「ほら行こっ! まずは泳がなくっちゃ!」
「ぐ……わかった。行こう」
手を引かれて波打ち際に駆けていく少女たちの背中を眩しげに見やり、やがて残りの者たちもそれを追う。今日はパレスやメメントスに居るときよりも走り回る羽目になりそうだと思いながら。
昼食を取り終えた一行は男女別の行動を余儀なくされた。理由はなんてことはない「このボート、四人乗りなんだ」というだけのことだ。
置き去りにされた少年たちは目に物を見せてやると奔走し―――惨敗した。
「そりゃそうだ」
荷物置き場と化したパラソルの下で一人と一匹の時間を満喫していたは呆れた顔で言った。
バナナボートの上から誰もいないことを見止め、慌ててひとり先に戻って来たと言う彼女の傍らには、モルガナがすっかり蕩かされて転がっている。
「にゃう……にゃ…………もうやめ……」
腹を上にしてぴくぴくと震える様は日乾しされる魚の開きのようだった。
さて、少年たちは跪いて彼女に問うた。
「俺らの一体なにがいけないってんだよ!?」
「顔か? 顔なのか? やっぱり顔がすべてなのか?」
「教えてくれ、何が間違っていると言うんだ」
はモルガナの腹を揉みながら答えた。
「その必死な感じが駄目なんじゃない」
少年たちの間に衝撃が走る―――
顔が駄目とか、身体が駄目とか、声が駄目と言われるよりよっぽど深い傷を負って彼らは頽れた。
「そもそも大抵の人は遊びに来てるんだから、それを邪魔されればよっぽどの付加価値がない限りなびかないとおもう」
「付加価値?」
少年らの問いに、は迷いつつこたえて言った。
「ん……お金とか……?」
これに喜多川は顔を上げてにじり寄る。
「お、お前は金があればなびくと言うのか……!? っ、しまった、有り金を使い果たした……!」
「そうは言ってない……というか、ち、近いよ。それにその伊勢海老はなに!? 有り金ってまさか……百グラム千円くらいするのに……うわっ、生きてる!?」
押し返されて砂の上に転がった喜多川の手には何故か生きたままの伊勢海老がしっかりと握られている。
彼に憐みの視線を向けつつ、坂本もまたビニールシートの上に横たわった。
彼はすっかり肉体的にも精神的にも疲れ果てていた。己の男としての価値をすべて失ったような気さえする。
その隣で膝を抱える少年もまた。
今日まで一体、何のために頑張ってきたんだろう。誰かを救うことに対価を求めたことはないし、あったとしてもそれは副産物でしかなかったはずだ。こんなことは、己が成し遂げてきたことに比べればほんの些細な望みでは無いのか?
ただただ、異性にモテたいというだけのこと―――
どんよりとした空気をまといつつある少年たちを他所にはビーチボールを膨らませる作業に取り掛かった。一息入れる度に体積を増すボールを見るに、華奢な少女の肺活量は中々のものらしいと見える。少しの間の後、ボールはすっかり満たされて球形となった。
さて、はこれを脇に抱えて立ち上がり、平坦な胸を叩いて無様な姿を晒す少年たちに向かって言った。
「私に任せて。今日こそ恩を返してしてみせるよ」
太陽を背に立つ彼女の姿は、男たちは後光が差しているように感じられた。
……
「すいませーん!」
かけられた声に、大学生と思わしき女二人は振り返った。
そこにはスポーツタイプの水着を身にまとった少女が一人、ビーチボールを抱えて息を切らせている。
身の丈は大きくない。中学生か、もしくは背の高い小学生くらいかもしれない。思い、女たちは警戒を緩めて笑顔を見せる。
「どうしたの?」
「もしかして、迷子?」
気遣う言葉すら飛び出すのだから、この女子大生たちは心根が優しい者なのだろう。あるいは少女の真面目そうな見た目がそうさせているのかもしれない。
「いえ、大丈夫です! でも……」
女子大生たちは首を傾げた。
「その、私、お兄ちゃんたちに海に連れて来てもらって、ビーチバレーをしてたんだけど、二対二で私が入るとすぐに負けちゃって……」
だから、一緒に遊んでくれる人を探しているのだ、と少女は語る。
女子大生たちは顔を見合わせ、少しの間の後に頷いて見せた。どうせ女二人、ビーチで酒を飲むだけの休日だ。ほんのわずかな時間を子供の遊びに費やしてやるくらいは構わないだろう、として。
少女に促されて向かった先には高校生と思われる少年が三人、所在なさげに佇んでいた。金髪、黒髪、フード……それぞれ趣は違うが、どれも見た目は決して悪くない。あと数年待てば彼女たちのお眼鏡にもかなうだろうとすら思えた。
少女は手を上げ、ビーチボールを頭上に掲げて跳ねながら彼らの元へ駆け寄った。
「お兄ちゃん! この人たちが一緒に遊んでくれるって!」
「こんにちはー」
「高校生? 妹さんの面倒見てあげるなんて偉いねー」
軽く手を振って合流した年上の女の存在に戸惑っているのか照れているのか、少年たちの言動はどこかぎこちない。
微笑ましさを感じて女子大生たちは笑みを浮かべる。夏休みの終わり、こんな思い出作りも悪くない。そう思えた。
「じゃあチーム分けしよ。お兄ちゃん、決めてくれる?」
にっこりと笑う少女に、少年たちはうっと呻いて後退る。少女は重ねて言った。
「早くして」
勝敗の行方はともかくとして、彼女たちは一セット限りのビーチゲームを楽しんだ。
現れたときと同じようににこやかに手を振って歩き去る女二人を、まったく見たことのないはしゃいだ様子で大きく手を振って見送り、はやれやれと振り返った。
「どうだった?」
「お前、ああいうキャラもできんのな」
「誰がお兄ちゃんだ」
「もう一勝負しよう、負け越したままでは帰れん」
三者三様の反応を返した少年たちに、はうーんと首をひねった。
「あれ……なんか思っていたのとは違う反応だ」
「いや、まあ、お姉さまがたとのビーチバレーは楽しかったよ? でもなんつうか、お前のキャラについていけなかったっつーか」
「そこは、気にしないで」
気になるに決まっている。坂本は大仰にため息を吐いてみせた。
「良いアイデアだと思ったんだけどな。私が女の人の警戒を解いてきみたちの所へ誘導する……」
言いながら、は片腕だけを用いて器用にボールを跳ねさせている。跳ねては重力に従って落ち、また跳ね上げられるボールはそのたびに強い日差しを照り返す。それが目に入るのか、それとも他に興味の対象を見つけたのか、喜多川がくるりと背を向けた。
するとこれを好機と坂本がボールを掠め取る。彼は声を抑えて言った。
「つうかよ、いいのかお前」
「なにが?」
「お前のカレシ、ナンパとかしてますけど?」
は猛然とした勢いでボールを奪い返した。
「きみまで言うか! そっ、そんなんだからモテないんだ!」
「んッッ、だとコラァ! 気遣ってやってんじゃねーか!」
ボールは再び坂本の手に渡った。
「そういう押しつけがましい考え方がよくないと言っているの!」
の元へ。
「うっせー! 押し付けがましいのはどっちだ!」
坂本の。
「ゲーム中お姉さんたちの胸元ばかりチラチラ見てた人が言えることか!」
二人は繰り返しボールを奪い合ったが、それも長くは続かなかった。
一本の腕が下から差し込まれ、ボールを天高くまで跳ね上げさせたのだ。
「っと、上げ過ぎた。祐介、頼む」
「ん」
応じて、慣性に従って落ちてくるそれを助走をつけたジャンプではっしと掴む。砂の上に着地した彼はどことなく楽しげな顔をしていた。
「けんかしない。まったく手のかかる弟と妹だよお前たちは」
言ったのは喜多川からボールを受け取った少年だ。彼はすっかり穏やかな顔をして、慈しむような目を二人に向けている。
するとちょうど、その背後をクスクスと笑い合う二人の女性が通り過ぎて行く―――
彼女たちの視線は明らかにやり合う坂本と、それを諌める少年の姿を捉えている。なるほど、とそれを外側から見ていた喜多川などは感心して頷いてみせた。
もちろん、ダシにされた二人は納得がいかない。
「この卑怯者!」
「一人だけいいカッコしやがって!」
眦を吊り上げた二人を少年は一喝した。
「この際モテるための手段を選んでいられるか!」
これに何故か喜多川が手を打ち鳴らす。彼の言うところのパッションとやらを、哀れなこの姿から感じ取ったのかもしれない。
坂本とは完全に気を削がれて脱力した。
「もうなんかどうでもいいわ……、でけぇ声出して悪かったな」
「いや、こっちこそ。そろそろ杏たちも戻ってるだろうから、行こうか」
「おう。そしたらもうひと泳ぎといこうぜ」
「いいね。今度はブイの方まで行ってみようよ」
「お、、お前泳げる系? どんなもんよ?」
「子供の頃はスイミングスクールに―――」
歩き去る二人の姿を眺めながら、喜多川は伊勢海老を押し込んであった鞄を拾い上げる。
そしてボールを抱えたままの少年に向かって言う。
「時には諦めも肝心だぞ」
寄せては返す波をしばらく眺めていた彼も、やがて肩を落としてとぼとぼと来た道を引き返した。
……
すっかり日が落ちた帰りの電車の中。規則正しく響く音と振動に心地よい疲労が絡み、少年たちのほとんどが眠りの中に落ちてしまっていた。
ボックスシートの通路側に腰掛けたは、対面で安らかに眠る少年とその肩を借りて同じく眠る佐倉の寝顔を眺めて微笑んでいる。隣のシートではまた、新島が高巻に肩を貸してやり、坂本がモルガナの隠れるバッグを膝に乗せて眠りこけている。
はふと、隣に腰掛ける少年に目をやった。彼は車窓の向こうの流れて行く景色を眺めているようだが、時折かくっと首が落ちることから半分ほど眠りの世界に入ってしまっているらしい。
自然と口元が緩むのを感じながら、はそっとポケットからスマートフォンを取り出してカメラアプリを起動させた。通路を挟んだ隣から新島が忍び笑う。は彼女に顔を向け、口もとに指を立ててみせた。
「しー……っ」
「ふふ、分かってるわ」
まずはじめにお互いの頭を預け合う正面の席の少年と少女を、次に通路を挟んだ坂本とモルガナ、立ち上がって隣のボックスに侵入し、高巻と苦笑する新島を撮影する。
最後に、は足音を忍ばせて喜多川に歩み寄った。
こちらに背を向けたままの彼の寝顔をどう撮ってやったものかと思案し、指先でスマートフォンを掴んで横からの撮影を敢行しようと腕を伸ばす。
しかしその腕は他でもない喜多川によって阻まれる。
「ひえ……」
「関心できんな、」
「起きてたのか」
「半分だけな。今ので起きた」
「残念」
なにが残念だと言うのか、やれやれと背もたれに戻る喜多川に、は見た目よりずっと俊敏な動きでもって再びカメラを向けた。
「よせ、―――」
シャッターが切られる。はくくっと喉を鳴らして座席を離れ、新島につい今しがた撮れたばかりの画像を突き付けた。
「なぁに? あら、……ふっ、ふふふっ、祐介、あなた……」
笑い出す新島に憮然とした顔を向ける喜多川の髪は、器用にも片側だけが跳ね上がっている。そこをガラス窓にずっと押し付けていたためにできた癖だろう。
「なんだ? なにを笑っている?」
「ふふ、寝癖……あははっ」
ついに声を大にして笑い出した新島に、高巻が寝ぼけ眼をこすりながら起床する。
「なにぃ、もお着いたの……?」
「おはよう、杏。ほら、これ見て」
「、なにを撮った……!?」
しばらくの後、高巻もまた笑い声を上げた。すると坂本とモルガナが目覚め、また同じことが繰り返される。
そのように騒がしくしても、兄妹のように寄り添う二人は決して目覚めない。眠りが平らかと見て、若者たちはまた静まり返った。
―――帰り際、波打ち際で夕陽を睨みつけながら佐倉は語った。改心などに興味は無い、ただ母の敵を討ちたいのだと。
心無いものが聞けば、この現代において時代錯誤な考えだと一笑に付すだろう。
しかし彼らは誰も笑わなかった。少女の悲壮な覚悟を受け止め、仲間として迎え入れたのだ。
言葉は無くとも、彼らは一様に誓っていた。
この小さな、目覚めれば生意気なことばかりを言う少女が、今この時のように常に安らかである場所であろう、と。
それは同情や哀れみではなく、友情によってもたらされるものだった。
は再びスマートフォンを佐倉に向ける。穏やかな寝息を立てる姿もまた、彼女の思い出の一つとして納められた。
……
仲間たちに別れを告げ、一人電車を降りたは夜道を歩いている。その足取りは軽く、楽しげで、時折鼻歌を口ずさんだりもする。
辺りは終わり行く夏を教えるような虫の合唱に包まれ、日中よりもはるかに過ごしやすい気温に落ち着いている。夜風はまた彼女のまだわずかに濡れた髪を優しく撫でて通り過ぎる。
母はもう帰宅しているはずだ。彼女は今日の出来事を報告したら喜んでくれるだろうか……
友達と一緒に海へ行き、たくさん泳いで、おしゃべりして、ナンパの手伝いもした。無用な心配を招かないためにも、最後は省略したほうがいいだろう。
思い、は手の中のスマートフォンに目を落とす。電車を降りたことを母に報告するためだった。もうしばらくで帰宅するよとチャットアプリに打ち込み、送信する。
返信はすぐには来なかった。
手持ち無沙汰になったは、行儀が悪いと自覚しながらも歩きながらなおも手元を忙しなく動かし続ける。
程なく呼び出されたこの日のカメラロールを眺めてまた思い出を胸に返す。
楽しかった。来年にはきっと痣も傷も薄くなっているだろうから、また違った水着を着られるだろう。そのとき彼はどのような反応を示してくれるだろうか。少しは、色めいた反応を示してくれるだろうか……
向かう先は海でなくてもいい。川や山での楽しみもある。あるいは、どこかへ旅行に行くのもいいだろう。
夢想するの指が一枚の画像を呼び出した。
中途半端な睡眠と覚醒で腫れぼったいまぶたにしかめられた眉。そして奇妙な寝癖。
ふっと少女はこらえきれない笑みを漏らした。
また来年も、再来年も、ずっとその先も彼らと遊びに行けたらいいのに、と思う。その胸は幸福感で溢れている。
どこか夢見心地にまた写真に目を落としたその時、キャリアメールの着信を告げるメロディが流れ始めた。
母親の返信ではないだろう。彼女ならばチャットアプリを使用するはずだし、その場合の通知音はまた別に設定してある。
ならば誰かと送信者に目を向けても、登録していない人物からのものらしく、ただメールアドレスが記されているだけだ。これにも見覚えはなかった。
はなんの気もなく本文を表示させた。
足が止まる。
「え……」
驚嘆の声を漏らす彼女の顔を、液晶画面の明かりがゴリラガラス越しに浮かび上がらせている。辺りは暗く、顔だけが照らされたその姿はさながら宙に浮く生首のようだった。